富山湾には蜃気楼が現れます。この蜃気楼には、2つの種類があり、一般的には春に多く現れる型のものを春の蜃気楼、冬に多く現れる型のものを冬の蜃気楼と呼んでいます。 富山湾には、この両方の蜃気楼が現れます。
春の蜃気楼
富山湾で特に有名なのが、春の蜃気楼です。この蜃気楼は、4月から6月にかけて現れることが多く、年に1から2回しか見えない年もあれば十数回見える年もあります。 また、現れている時間も短いときで数分、長いときでは数時間のこともあり、短時間で水平方向に移動します。この春の蜃気楼は富山湾では魚津市の海岸によく現れます。
冬の蜃気楼
この蜃気楼は、主に冬季に現れることが多いので冬の蜃気楼と呼ばれていますが、季節に関係なく、しばしば現れます。 冬の蜃気楼は、春の蜃気楼に比べ現れる回数も多く、おだやかな日では長時間安定して現れ、一日中現れていることもあります。 この蜃気楼は富山湾内各地で見ることができ、氷見海岸一帯からも冬場の晴れた日には安定してみることができます。 見え方は、水平線の少し上に鏡をセットしたかのように、対岸の本当の景色の下に反転してやや縮んだ虚像が映る”浮き島現象”と呼ばれるものです。 身近なところでは「逃げ水」現象もこの蜃気楼の仲間です。
富山湾で蜃気楼が現れる理由
海水の温度と空気の温度の差が大きいときに、海面に触れる空気が暖められ、又は冷やされて、空気密度が垂直方向に急激に変化しているときに直進する光が曲がってしまい、このために10から40キロメートル位の対岸の景色が虚像となって見えるものです。